何故“同じプリアンプ”が必要なのか?


ProtoolsHDが普及し、ミキサー無しでもレコーディング環境が構築出来てしまう時代に
なりましたが、プロユースのスタジオには必ず同じプリアンプが複数用意されています。
これは機材による音のフランケンシュタイン現象を回避するためです。

もともと伝統的なレコーディングスタイルはレコーディングミキサーを使い、ほぼその
プリアンプやイコライザー等を使ってきました。例えばSSL、NEVE等のミキサーが有名です。
しかし同じ回路だけだと個性が均一化されるため、個性的な色付けが欲しいトラックに
別のマイクプリ、コンプレッサー、イコライザーを使って個性を出したのが伝統的な手法です。

しかしながらレコーディングミキサーが姿を消し始めてコンパクトなシステムに移行する
にあたり、マイクの同時録音数と同じ数のマイクプリが必要になりました。
その際、多くのスタジオは様々な異なるメーカーの機材を導入するのです。
それは多様なメーカーのものがあったほうが選択肢が広く、アーティストの好みにも
幅広く対応できるからです。これは有意義な選択と思います。

もしこのスタジオが多チャンネルの同時録音、つまりドラムの録音等を行わないのであれば
全く問題ないのですが、仮にこれら質感の異なる機材でドラム12CHの録音を行うと
どうでしょう?結果は組み合わせにもよりますがかなり不自然な仕上がりになります。
ビートの要であり、加工も多いキックやスネアはともかくタムやハットオーバーヘッド、
それぞれがOPアンプ、トランス回路、真空管、ディスクリート回路、B級回路、A級回路、
そんな風になっていたらサウンドもちぐはぐかつ機材を選定するエンジニアも大変です。
なのでレコーディングミキサーを使っていた時代と同じように、同じインプットをそろえて
機材による音のフランケンシュタイン化を無くすわけです。

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MORGは多チャンネルにVINTECH 4CH、OLD NEVE8CHで個性を揃えています。
その上でFOCUSRITE ISA215,AVALON Vt737,AMEK9098,1176.33609等
豊富なアウトボードで必要に応じて個性を出しています。