メジャー?インディー?継続とリクープライン


アマチュアバンド、インディーズバンド、メジャーバンドに関して、アマチュアとインディーズを混同している
人間が業界内にも多いため念のため記しておきます。

アマチュアバンド …  そのままアマチュア、あるいは趣味のバンドです。

インディーズバンド … バンド自身がバンドによる営利活動を含む活動をしているバンド、あるいは
            インディーズレーベル所属のバンドです。営利活動が伴います。

メジャーバンド …   メジャーレーベル所属のバンドです。
            流通がインディーズの流通である場合もあります。

と、そんな感じなのですが、音源製作における予算、リクープライン(損益分岐点)で分類すると
随分違いが出てきます。

メジャーはまちまちですので伏せておくとして、まずアマチュアの場合は予算はかなり限られるか、
もしくはかなりあるかの2パターンがあります。

予算が無い場合は一曲1万円かそれ以下くらいの予算しか無いでしょう。
逆にある場合は趣味ですのでケースによりますが何百万とかける方もいます。

で、インディーズバンドですがこれは大抵予算は似通ってきます。
バンドの規模にもよりますが大体一曲あたり5~10万円くらいの単価になってきます。

ミニアルバムで20から30万、フルアルバムで50から100万くらいの予算と言う計算です。

これは額面は高く感じますが営利で商品を作る以上販売を行うわけで、価格もリクープラインを設定して
決められています。

レーベルの場合は宣伝、広告も費用をかけますが、やはりそれなりに販売枚数も見込めます。
ですのでリクープラインが500枚や1000枚でも問題ないケースがほとんどです。

ではレーベルなどに所属していないインディーズバンドのリクープラインは何枚くらいでしょう?

10年この業界に居て肌で感じた数字はズバリ『300枚』という数字です。

欲を言えば200枚台にリクープラインを設定できればよりいい感じです。

『300枚』という数字は結構必死にライブして販売して達成できる数字です。
ただ、ここでいう『300枚』は会場販売などの場合であり、流通を通す場合はマージンがかかるため、
およそ0.5枚として計算する必要があります。

つまり手売りなら300枚でも流通だとおよそ600枚の売り上げが必要になるわけです。

ですので大体300枚をリクープラインに出来れば回収及び収益をあげる事が出来ます。

ここで読み違えて無名のままリクープラインが500枚とかになってしまった場合は相当苦労します。
これはアマチュアや普通のインディーズでは頑張っても2、3年かかって売れるかどうかの枚数です。

何事も計画しておかないと後で後悔してもどうにもなりません。

まず、実績が無いバンドの場合、200枚の手売りで回収できる範囲で予算を立てて下さい。

1000円で売るなら20万。1500円なら30万。という感じです。
で、プレスして売る場合はリクープラインを300枚目処に設定し、200枚台なら御の字とします。

通常アルバムの方が初期投資がかかりますが、シングルよりはリクープラインは低くなってきます。

少なくともMORGではこのリクープラインを極力守るように心がけています。
実績のないバンドにリクープライン1000枚、500枚を押し付けるような事はしませんし、
問い合わせ、予約の段階で調整します。

また、しっかりとした準備をする事でレコーディングの無駄な時間を省き、作業の効率を高める事が出来ます。

一例として構成表があります。

kouseisamples

この一覧型構成表で楽曲のサイズ、構成、録音箇所等の全容を把握できます。

これと別に小節区切りの構成表に関しては現在作成ソフトを開発完了しており、近日無料公開予定です。
ベータ版を多くのミュージシャン、関係者にテストしていただき、好評を得ました。
曲構成に準じた五線譜の印刷にも対応します。

これらを活用すればロックアウト6時間を8時間並に有効に利用出来るかと思います。

人間の集中力には限界がありますので、無駄な時間を省き、短期集中で作業を行い、良い作品を作りましょう。